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備前甕仕込「東光 安土桃山」を12月3日(金)より限定発売

2021年11月15日

12月3日(金)から
備前甕仕込「東光 安土桃山」を数量限定発売します

「東光 安土桃山」は、安土桃山時代(慶長2年・西暦1597年)に創業した小嶋総本店が、創業期の原点である備前甕仕込にて醸しました。
令和元年、備前甕作家である松井宏之氏と、小嶋総本店の蔵元である小嶋の出会いを契機として、小嶋総本店は蔵の原点である“備前甕”による酒造りのプロジェクトを開始いたしました。
初回醸造は、山形県産亀ノ尾を主体に生酛造りにて醸しました。また、米澤藩中興の祖でもある上杉鷹山公が自ら鎌を入れられた田において、上杉神社が神事を執り行って栽培されたお米(つや姫=亀ノ尾の子孫品種のひとつ)も一部譲り受け、醸造に用いました。醸造用精米機がなかった時代にならい、少量のつや姫を90%精米にて配合しております。

備前甕仕込について
縄文時代以降、日本では長きに渡り酒造りに土器が用いられてきました。安土桃山時代に創業した小嶋総本店にも創業当時の備前甕(酒造資料館東光の酒蔵 所蔵)が残されております。遠く離れた備前より北前船で山形まで運ばれた備前甕を醸造に用いていたと考えられます。
その後、江戸時代には甕よりも遥かに大きい木桶が普及し、日本酒は飛躍的な量産化を遂げるとともに、小さく重い甕は醸造容器として主役の座を譲ります。そして昭和以降は木桶からホーロータンク、ステンレスタンクへと、醸造容器の主役が移り変わって参りました。
現存する酒蔵の中で、安土桃山時代以前に創業した酒蔵はわずか17蔵 とされています。江戸時代には木桶が普及したことからも、甕仕込み時代から続く数少ない酒蔵の1つと言えます。
甕はタンクや木桶に比べて遥かに小さく、取り扱いもデリケートで、この上なく非効率な器と言えます。しかし、釉薬(うわぐすり=ガラス質のコーティング)を塗らず、土をそのまま焼き締めた多孔質の容器で醸造することにより、甕特有の石や土を舐めたような風味や、微細な気孔に生息する微生物による複雑な味わいが醸し出されると考えられます。
甕による酒造りが行われた時代より続く酒蔵も、醸造に耐える備前甕を作る作家も、今では数えるほどしかおりません。四百年の時を越えて再び交差することになった両者の歩みを、「安土桃山」という時代名のもと、数量限定でお届けいたします。

備前甕作家 松井宏之氏
備前焼作家:松井宏之氏は三石甕を造る数少ない備前甕作家の1人です。オブジェではない、実用に足りる「用の美」を追及されています。小嶋は松井氏との出会いを契機に、自らの酒造りのルーツである備前甕への理解を深める中で、もう一度甕での酒造りを再開することを決意しました。

蔵元:小嶋より味わいについて
釉薬(うわぐすり)がない備前甕で醸造したことで、当蔵にとって新たなスタイルのお酒になりました。初回醸造は、メロンや梨を思わせる穏やかな香りとともに、石を舐めたようなミネラル感、甕の素材である土を感じさせる酸味もはっきりと感じられます。東光のフルーティーでクリーンなスタイルに比べて、より複雑で力強い仕上がりです。平盃や、やや口が開いたグラスで、低温から室温までの温度変化による味わいのグラデーションを感じていただければ幸いです。

商品名:東光 安土桃山
特定名称:純米
原料米:亀ノ尾、つや姫
精米歩合:90%(亀ノ尾50%、つや姫90%)※つや姫は全体の4%使用しています。
アルコール分:15度
容量:720ml(化粧箱入)
希望小売価格:11,000円(税込)
限定数量:900本
発売日:2021年12月3日(金)

12月3日(金)より、小嶋総本店特約店様並びに小嶋総本店直営店(酒造資料館 東光の酒蔵)、東光オンラインストアでの販売を予定しております。